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遺品整理のための感情整理:グリーフカウンセラーが教える心のケア

大切な人を亡くし、遺品整理をしなければならない時、気持ちの整理がつかないという経験をしたことはないでしょうか。部屋を片付けながら、ふとした瞬間に思い出の品を見つけ、涙があふれる。仏壇の前に座れば、もう二度と会えない悲しみにくれる…。

遺品整理は、故人との思い出と向き合う作業です。モノを片付けるのと同時に、心の整理も必要になります。でも、そのプロセスは人によって異なるもの。「こうあるべき」というルールはありません。

とはいえ、グリーフ(悲嘆)の感情と向き合うのは簡単ではありません。心の中に空洞ができたようなこの喪失感をどう埋めていけばいいのか。遺された者にとって、それは容易に答えの出ない問いかもしれません。

そこで今回は、遺品整理をする際の心のケアについて、グリーフカウンセラーの視点からアドバイスをお伝えします。故人を偲びながら、遺品に込められた思いを心に刻んでいく。そんな作業がグリーフからの回復の一助となることを願っています。

目次

1. 「涙を我慢しなくていい」と自分に伝える

日本人は感情をあまり表に出さない傾向にあると言われています。「泣くのは恥ずかしい」「弱音を吐くな」といった価値観を持つ人も多いでしょう。しかし、大切な人を失った悲しみに蓋をしても、心の傷は癒えません。

涙を流すことは、自然な感情表現の1つ。「泣いてはいけない」と自分を責めるのではなく、「今は泣きたい気持ちなんだ」と自覚することが大切です。感情に正直になる勇気を持つことで、少しずつ心が軽くなっていくはずです。

ただし、感情の揺れ動きには個人差があります。涙もろくなったり、感情の起伏が激しくなるのは、グリーフの過程では珍しいことではありません。「この感情の波は乗り越えられる」と自分を信じてあげましょう。

2. 周りの人に感情を言語化する

「つらい」「悲しい」「寂しい」…。漠然とした感情を言葉にするだけでも、気持ちの整理につながります。でも、1人で抱え込むのはとてもエネルギーがいること。信頼できる家族や友人、カウンセラーなどに打ち明けてみましょう。

話すことで、自分の中にあるモヤモヤが明確になります。「話を聞いてもらえてよかった」「1人じゃないんだ」と実感できれば、心も軽くなるはず。無理に明るく振る舞う必要はありません。ありのままの感情を言葉にすることが、心の解放につながります。

時には言葉を交わすのも難しいかもしれません。そんな時は、そばにいてくれるだけで心強い存在がいるはず。「今は言葉にできないけれど、気持ちはわかってもらえている」そう思えるだけでも、支えになるでしょう。

3. グリーフの感情は人それぞれ

「こんなことで泣いてはダメだ」「もう立ち直らなきゃ」。周りからのプレッシャーに苦しむ人もいるかもしれません。でも、グリーフの感情に「正解」も「期限」もありません。

ゆっくり歩める人もいれば、時間がかかる人もいる。立ち止まりたい時は立ち止まってもいい。人と比べるのではなく、今の自分の心に正直に向き合うことが何より大切。「今日の私はこれでいい」と自分を認めてあげましょう。

遺品整理の過程で、思わぬタイミングで涙があふれることもあるでしょう。懐かしい思い出、後悔、未練…さまざまな感情が交錯するのは自然なこと。「こんな風に感じるのは自分だけではない」そう思えると、心も軽くなるはずです。

4. 思い出は心の中に残っている

遺品を処分する際、罪悪感を覚える人も少なくありません。でも、物を手放すことと、故人への思いを手放すことは別物。遺品は形見の一部でしかないのです。

大切なのは、モノではなく、心の中に生きる思い出。「形見は処分しても、心の中の思い出は消えない」と自分に言い聞かせてみてください。遺品を通して、故人への感謝の気持ちを新たにするのもいいかもしれません。

思い出の品の一部は形見として残し、デジタル化するのもおすすめです。写真や動画に収めれば、いつでも故人を偲ぶことができます。残すモノは厳選しつつ、大切な思い出を心の中にとどめておきたいですね。

自分のペースで「さよなら」を

グリーフは愛する人を失った痛みである一方で、その人とのかけがえのない思い出の証でもあります。「急がなくていい」「自分を責めなくていい」と自分に語りかけながら、ゆっくりと「さよなら」を告げていけたらいいですね。

遺品整理は、故人に別れを告げるプロセスでもあります。最後に、心の中で「ありがとう」「さようなら」と伝えてみるのもいいかもしれません。辛く苦しい作業かもしれませんが、温かな思い出を胸に、前を向いて歩んでいける日がきっと来るはずです。

「いつか笑顔で思い出せる日が来る」。そう信じて、今日も一歩ずつ前に進んでいきましょう。心の整理は一朝一夕ではできません。でも、時間とともに、必ず心の傷は癒えていくはずです。焦らずゆっくりと、故人への思いを大切にしながら歩んでいけたらと思います。

遺品整理でお困りの方へ

大切な方を亡くされた直後は、遺品整理など考えられないというお客様も多くいらっしゃいます。心の整理がつくまで、ゆっくりとお考えください。

遺品整理でお困りのことがありましたら、経験豊富な当社スタッフまでお気軽にご相談ください。お客様の心に寄り添い、丁寧にサポートいたします。

故人の思いが詰まった遺品を、どう扱うべきか迷うこともあるでしょう。処分するモノ、残すモノ、供養に出すモノ…。一緒に考えさせていただきます。お客様のペースに合わせて、ゆっくりと一緒に整理していきましょう。

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